ウォーターマン・エキスパートとインク【レビュー】

　実は，先日カスタム74を買った直後に，もう１本買っています。しかも，カスタムより高いやつ（笑）。
　ウォーターマン・エキスパートのレッドGT（EF）です。ペリカンのトラディショナルを買うかどうか迷っていたとき（夏休み前頃）に，このエキスパートが鉄ペンで最強，という評価をあちこちで見かけて，ペリカンの鉄ペン（うちのブルーペリスケは鉄ペン）よりも書き心地がいいなら，いっぺん書いてみたいと思っていたのですが，いかんせん，自分が知っている万年筆売り場のどこにもEFが見当たらなかった。海外の万年筆のFやMは，私のふだん使いに合わないので，ペリスケでもサファリでも，EFを使っています。

　それが，先日，１ヶ月に１，２回しか行かない郊外の大型書店に行ったとき，そこのショーケースに入っているではないですか。ここには国産から海外メーカーまでそれなりの品揃えがありますが，店員さん曰く，ショーケースの中＝在庫全部らしいので，じっくりショーケースを眺めないとわからないのです。しかも，EFがほとんど置いてなく，ウォーターマンに限らずペリカンやパーカーなども，ほとんどF以上の太さでした。
　エキスパート・レッドGTは，すでにウォーターマンの公式サイトからは消えているので，店頭在庫をおさえないかぎり入手できないようなので，まあ，ラッキーでした。

　ちょうど今，間もなく締切の論文を執筆しています。最近は，論文のアイデアや基本構想を紙に書き出して，それからパソコンで書き始めていますが，昨年からこの作業にもラミー・サファリを使っていて，今執筆中の論文もサファリでやり始めました（＆途中からカスタム74も）。
　本当はエキスパートを見つけたとき，論文の締切が終わってから，自分へのごほうびにしようかと思ったのですが，いつなくなるかわからない品物なのでとっとと買ってしまい，サファリに代えて使ってみることにしました。最初はやや戸惑いましたが，使いこなしのコツがわかってくると，確かによい万年筆だと（万年筆歴が浅い人間が言うのも何ですが）感じられます。ペンの重さは私が持っている万年筆の中では随一（カタログ上，サファリは15gでエキスパートは32.5g）ですが，それも気にならないバランスのよさがあります。
　ただ，太い。EFとはいうものの，サファリのF並みです。カスタム74のFより太い。でも，ペンの滑りのよさはサファリの上を行く感じ。ペリスケよりいいかも。

　このエキスパートについてきたサービスインクが，ウォーターマンのブルーブラック。
　一言で言って，面白いインクですね。書いた直後はそこそこ青さを保っているのに，乾くにしたがって緑の色味が強まる。以前から使っている赤インクと同じように色が変わっていくインクです。手持ちのブルーブラックはラミーのカートリッジだけですが，これはややモノトーンに近い色。それに比べれば，だいぶ「色」があります。エキスパートで使っているぶんにはきちんと濃淡も出る。

　先日，サファリ用のブルーブラックのカートリッジがなくなった（今入れてあるのがラスト１本）ので，色彩雫「冬柿」がよかった（色もフローも）こともあり，今度は「月夜」を買うつもりだったのですが，エキスパートを使ってみて方針変更。サファリで「冬柿」を試したところ，カスタム以上にインクが出て，紙によっては裏抜けしそうなのがわかったこともあり，すでにサファリでの使い勝手のよさがわかっているウォーターマンのブルーブラックを購入しました。
　あちこちで「万年筆に優しい」ブルーブラックだと書かれているので，安心して使えそうです。

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