９．ノマドと過ごす日々 【ノマドの記録】

　ノマドに乗っていた間のあれこれです。

【転機】
　ノマドに乗り始めて最初の夏が過ぎる頃，転機がやってきました。
　現在勤務している大学で教員の募集があり，そこに推薦してもらえることになりました。すぐに提出書類をそろえ，１ヶ月少し後に面接。さらにそれから４ヶ月あまりかかりましたが，正式に採用が決定。
　乗り替えから１年後の４月，新しい職場での生活が始まりました。

　思えば，ムーヴに乗っている頃は，大学院生だったり非常勤の仕事だったりと，とにかく下積み経験と苦労の時代だった気がします。今もなお下積みは続いているわけですが（未だに学科では“若手”なので），次のステップアップの準備を終えてムーヴが去り，新しい職場でのチャレンジに向けてノマドがやってきたような，そんな感覚があります。

【帰省の足】
　ノマドに乗り始めてから，実家に帰る際に車を使うことが増えました。
　一つは，今の職場に勤めるようになってから，長期休みの時期に鉄道や飛行機の切符が取れないケースが増えたため（つまりは，世の中の大半の人たちと同じように長期休みを取る生活になった，ということ）。もう一つは，ノマドの購入後に，実家に帰ったときの足に借りていた母親の車が処分され，父親の車だけになってしまったためです。５日以上実家に滞在するときは，車で帰ることが多くなりました。
　金沢から埼玉までの道のりは，北陸道・金沢東IC（今は金沢森本ICを使っていますが）で上越JCTまで行き，そこから上信越道。更埴JCT，藤岡JCTを経由して，関越道の川越ICまたは所沢ICで降りる，というルート。
　ムーヴでは，上信越道がとにかく走りにくかったのです。アップダウンがかなりきつく，しかもだらだらと長い登り坂＆下り坂が続く箇所もあります。それに，新潟県内は対面通行で，後ろからあおられることも度々。そして北陸道では海風。トールワゴンスタイルのムーヴは，風にずいぶんあおられました。
　それが，2000ccのノマドでは余裕のドライブになりました。ただ，車重があるぶん，しっかりアクセルを踏まないとみるみる減速していく登り坂もありますが，一瞬でもO/Dスイッチを切ってやれば，楽々加速していきます。
　燃費も高速を使う分にはリッター10キロは余裕でした。70Lのタンク容量がありますから，金沢で高速に乗る前に給油しておけば，あとは460キロあまり先の実家まで無給油で行くことができました。
　実家のまわりは幅が狭い道路もありますが，見た目には図体が大きく感じられるノマドも楽々通り抜けられました。

【出張の足】
　上記の通り，ノマドに乗り始めてから１年後に今の職場に勤務するようになりましたが，教員には講義以外にもいろいろ仕事がまわってきます。その一つが学生募集の活動です。高校から直接依頼される出張講義や，リクルートなどの受験産業が企画する進学フェアや出張講義，オープンキャンパスなどがあります。そんな活動の中に，高校訪問，というのがあります。大学の資料を携えて，直接高校を訪問してくるわけです。私の所属学部では，だいたい１人あたり３校の割り当てです。
　採用初年度は小松市内と金沢市内でしたが，２年目，３年目は新潟市内へ行くことになりました。通常，こういう遠距離の校務出張では，公共交通機関を使うのが前提なのですが，行き先の高校の場所を調べてみると，新潟駅を中心に大きな三角形を描くことになり，結局，現地でレンタカーなりタクシーなりを調達する必要があることがわかりました。そうなると，金沢から持っていく資料もあることだし，自腹持ち出しになるのを覚悟でノマドで行きました。
　２年目のときはともかく，３年目だった昨年の夏は大変でした。直前の7月16日に発生した中越沖地震で北陸道が痛めつけられており，富山と新潟の県境を過ぎて間もない西山ICから上越JCTまで車線＆速度規制。道路はあちこちが隆起した状態で，行きも帰りもだいぶ苦労しました。
　その代わり，新潟市内での移動手段が確保できましたので，高校訪問が終わった後，２年目に行ったときにたまたま近くを通って見つけた水族館“マリンピア日本海”で，少しだけ遊んでから帰ってきました。

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