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さらばスーパーアグリF1 [日常]

 一昨日,SUPER AGURI F1が,選手権からの撤退を発表しました。
 今シーズン開幕前から,文字通り薄氷を踏むような,かなり危険な話が続出していましたが,とうとう一番残念な形での終了となりました。
 2日経って,鈴木亜久里代表の会見のフルテキストや,最後の交渉相手だったと思われるドイツのヴァイグル・グループのコメントも,webに上がってきています。

 カスタマー・シャシー問題や参戦資金・開発資金の高騰など,今のF1ではメーカーをバックに背負ったワークスチームでなければ生き残りにくくなっているのも,小さなプライベーターだったSAF1が撤退することになった一因でしょうが,SAF1自体の経営基盤が脆弱だったことも原因であるのは間違いありません。それはそれとして,認めないと。日本企業の支援がほしかったですね。
 鈴木代表をはじめチームの皆さん,お疲れさまでした。レースを楽しませていただきました。鈴木代表は,まだ残務整理もあるでしょう。どうぞ御自愛ください。




 さて,ここからは何かイライラさせられている部分の話。
 私たちの目に見える情報だけを拾ってくると,今回の撤退劇のあちこちに出てくるのがホンダレーシングF1(HRF1)のニック・フライCEOの名前です。鈴木代表も,フライの言動に不快感を示しているようです。
 誰かがフライにそんなことをさせているのか,あるいはフライの独断専行かは知りませんが,いずれにせよこれでまた日本のアンチ・フライのファンの怒りが燃え上がるでしょう(すでに炎上中か)。SAF1が走っているからと応援していたファンも離れていくかな。

 SAF1設立の経緯から今回の一連の撤退劇までちょろちょろと顔を出す,このフライ。
 ホンダの役員でも何でもない彼が,なぜSAF1にあれこれ口を挟むのか,さっぱりわかりません。バトン・ゲートのような話は,チーム内部の話だから強権発動しようがどうしようが“チーム事情”ですが,ホンダの人間であるかの如く他チームに干渉するのはいかがなものか,と思うわけです。
 例えば,SAF1が今シーズン,持ち込み資金のあるドライバーを起用しようとしたときは,「ホンダは2008年もSAF1への支援を継続するが,その見返りに有用なフィードバックができるドライバーの雇用を期待する」とか言い出し,結局この話はつぶれて,背後にあったグループとの交渉も失敗。今回の撤退に至る経緯でも,マグマという買収相手を紹介したのはともかく,買収相手をマグマだけに絞らせてその他を全部切り捨てさせ,さらにマグマとの破談が明らかになった後も,ヴァイグルとの交渉を邪魔し,果てにSAF1はトルコGPに出ないと言い出してサーキットから閉め出し。
 こういった彼の発言は,誰がどう見てもホンダ(HRF1ではなく)の人間としての発言です。ホンダは彼にそんな権限を与えたのでしょうか。与えたのならば頷けますが,肝心のホンダからは一言もそういう話が上がってきません。ニュースで伝えられる情報を整理してみても,フライはあくまでHRF1というホンダの子会社のCEOにすぎないのです。
 親会社ホンダの代表であるかのように振る舞うフライと,それを(今のところは)放置しているホンダ,という構図にイライラしているわけです。
 あ,ひょっとして“ホンダ”として言うとまた日本のファンからバッシングを浴びるから,少なくとも日本のSAF1ファンの間では嫌われ者のフライに勝手に言わせておく,という深謀遠慮?<毒入り
 でも,それはファン離れを加速させるだけだろうなあ。

 そして,SAF1撤退の問題を,HRF1ではなくホンダ本体がもっと説明してくれ,とも思います。「ホンダも協力してきたけど,亜久里さんが断念するって言うし,残念だけど仕方ないよね」と言わんばかりの,あんなメッセージではなく。
 だって,フライの言うことを正面から受け止めるなら,ホンダ側がもうやめるべきだと言ったようなものではなかったのか,と思うのです。SAF1の債務の多くも,ホンダに対するものでしょう。ホンダとフライの発言がどこか掛け違っているように思うのです。そこにまたイライラ。

追記
 「F1キンダーガーテン」に,ホンダの大島裕志広報&モータースポーツ担当役員のインタビューが出ました。
 ざっと読んだ限りにおいては,
「SAF1をホンダのBチームとは考えていなかった」
(「ニック・フライがトルコGPのパドック立ち入り阻止をしたのでは?」という問いに) 「それはない」
「スペインGPの後にクルマをホンダのファクトリーに持ち込んだのは,貸出期限が切れたから」
 などの話が載っています。
 これまでに報道された内容との違いがそこここに見受けられます。
 それに,Bチームと考えていなかったのなら,上記のペイドライバーの件でフライが「ホンダのために有用なドライバー」というようなことをごちゃごちゃ言うのはおかしいわけだし,それを放置しておいてもよかったのでしょうか。
 「SAF1は佐藤琢磨のために作ったチームではない」という応答もあります。


 SAF1が,参戦以来現在まで脆弱な経営基盤のままだったのは,思い起こせば設立の経緯にも原因があるように思います。いわゆる“バトン・ゲート”で,佐藤琢磨が弾き出されたときの受け皿として準備不足のまま参戦し,それがずっと尾を引いていたように思えるのです。
 その佐藤琢磨が再びホンダで走るのでは,という話もありますが,果たして彼はフライ(とバトン)がいるチームで走る気になるのでしょうか。

   ※記事内のリンクは「F1通信」さんの記事へ飛びます。

 私は昨年の終わり頃,ちょうどSAF1が再び低迷しはじめた頃からF1のテレビ観戦はしていません。最終戦だけは観ましたが,今シーズンは1回も観てません。
 他の記事に書いた通り,乗り替えたばかりのSX4がWRCに挑戦していることもあって,何となく今はそっちに気が向いています。
 日本のチームというなら,“モンスター田嶋”こと田嶋伸博氏が代表を務めるスズキ・ワールドラリーチームだってそうじゃん,と。クルマの開発拠点だって国内だし,チームのディレクタークラスも,多くは日本人だし。
 テレビ中継がないのが残念です。仕事さえ都合つけば,ラリー・ジャパンのチケット予約したのに<教員なんだから絶対無理(泣)。
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